宿り木のタネのHP効率
便宜のために、宿り木のタネをする側を「こちら」、される側を「相手」とします。
宿り木のタネは、毎ターン相手のHPの1/8を奪って回復できる技で、HP回復量は相手によって一定量です。
・回復量の例
H157→19 ロトム等
H167→20 ギルガルド等
H175→21 無振りバンギ等
H182→22 ガルーラ等
H184→23 ガブリアス等
H207→25 スイクン等
H227→28 クレセリア等
HP回復量は相手によって決まる数値なので、HP割合の観点から見れば、こちらのHPは少ない方が良いとされています。
例えばエルフーンはHに全振りすればH167で、ガブリアスから吸い取った場合23/167で約14%の回復ですが、エルフーンのHに振らなければH135で23/135で約17%の回復となります。
ただし、ここで注意して下さい。
HPを振るのは、耐久配分効率論的(H=B+D)に効率の良い振り方です。HPに振らなければ結果的に耐久は下がることになり、本末転倒となってしまいます。
例えば、H252振りのメガフシギバナはH187-B143-D140で耐久指数はHBが26741、HDが26180です。BD132ずつ振ったフシギバナはH155-B160-D157で耐久指数はHBが24800、HDが24335です。比較するとHBもHDもそれぞれ約0.93倍の耐久になってしまいます。
よって相手の技を素で受ける前提の場合、HP振り優位となります。オーロット、メガフシギバナはHP振りをしておくのが良いでしょう。
(注)これは多くのポケモンでHB+Dとなるようなポケモンの場合、BD振り優位になります。
・H振りをするメリット
耐久配分効率論的に優れた振り方である
残飯・オボンの回復量が増える
・H振りをしないメリット
他の数値に割けるので、HP1単位あたりの防御・特防が高くできる
身代わりのHP減少量が減る
HPを振らないことによって「他の数値に割けるので、HP1単位あたりの防御・特防が高くできる」というのは正直ほとんどメリットになりません。よってHPを振らないという振り方が活きるのは、身代わりを使う場合のみと考えて良いです。
そしてその理由は「身代わりのHP減少量を減らすため」であり、4n,4n+1,4n+2,4n+3のどれでも身代わりのHP減少量は同じなため、その中で一番硬くなる4n+3にすべきです。
さて、ここからはやどみがのループについて触れたいと思います。キノガッサは催眠が絡まり、計算が非常に難しいし、数自体少ないので今回は無しで。主にエルフーンについて書きます。
やどみがの「無限」ループに嵌められるには以下の条件が要ります。
宿り木回復量+残飯回復量>身代わり消費量
ただ、仮にHPに振らないとしても、現実的にこの要件を満たすケースは稀です。H135エルフーン対ガブリアスで考えてみても、宿り木回復量は23、残飯回復量は8、身代わり消費量は33なので、一ターンごとに33-23-8=2ずつ減ることになり、「無限」ループはできません。
しかし、2ずつしか減らないなら宿り木の効果が数十ターン続いてることになり、その頃には相手は死んでいます。
一ターンのHP消費量は上記のような計算をして、
身代わり消費量ー残飯回復量ー宿り木回復量
で計算できます。身代わり消費量ー残飯回復量は先に計算できます。4n+3のものだけを調べると以下のようになります。
HP | 135 | 139 | 143 | 147 | 151 | 155 | 159 | 163 | 167 |
身代わり消費量 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 |
残飯回復量 | 8 | 8 | 8 | 9 | 9 | 9 | 9 | 10 | 10 |
その差 | 25 | 26 | 27 | 27 | 28 | 29 | 30 | 30 | 31 |
上の表の「その差」の部分と、宿り木の回復量の差を取れば、一ターンのHP消費量が計算できます。例えば宿り木の回復量が20のギルガルドに対し、H135エルフーンなら25-20で5、H167エルフーンなら31-20で11が、一ターン毎に削られていきます。
身代わり消費量と残飯回復量の差は少ない方がいいのですが、H143とH147では差がないので、堅いH147振りが優位となります。よってH143と、同じ理由でH159はHPの候補から外れることになります。H=16n-1は残飯を持った時には最悪の調整だということです。
H=16n+1はこの場合、特に意味は現れません。
上の表を見ればH167からH135にすることで一ターンのHP消費量が6も削減できることが分かります。
HPが5ずつ減ろうが11ずつ減ろうが、宿り木で相手が死ぬターンである9ターンの間にHPが全部無くなることは無いですし、そもそもやどみがループの展開に持ち込めるようであれば勝ち同然なので、H167でも問題ない気はします。
が、HPがある程度減った状態からループに持ち込む場合を考えると、一ターンのHP消費量は少ない方が嬉しいです。
なので、エルフーンの場合は無振りのH135にするのが良い、としておきます。
<まとめ>
・メガフシギバナ、オーロット→H振り安定
・キノガッサ、エルフーン→微妙。若干H無振り優位か
・エルフーンのH167→H135のメリット→一ターンのHP消費量が6削減
・デメリット→耐久が0.93倍くらいになる
検索してもあまり資料が無く、色々不安なので間違ってたらご指摘下さい。
追記 調整の話は触れてませんが、記事に書いたことと同じことが言えるはずです。調整する際にH252に振って調整した方が良いのか、H無振りのまま調整した方が良いのか悩むはずです。どんな調整であれ、Hに振れば耐久は上がるし、振らなければ一ターンのHP消費量は減ります。この記事はH252とBD128の比較ではなく、H252とH無振りの比較ですので。
ただ、B振りだけでは満たせない耐久調整もあるでしょうから、そのときにはH振りをしなければなりません。一応その材料として、Hを多少振った場合どうなるのかというのも表にまとめてあります。
何かありましたらまたご指摘下さい。