読みと勝率期待値

自分はAorBの二択があって、相手にはCorDの二択の状態。二択のどちらを選択すべきかはポケ勢の永遠の命題です。

例として、初手珠テラキオン対鉢巻バンギラスの対面。相手の構築にはクレセリアがいました。控えとして出てきてる可能性が高いでしょう。
テラキオン側はストーンエッジ(A)orインファイト(B)、バンギラス側は交代(C)or馬鹿力(D)とします。
※馬鹿力は例です。

行動同士の優劣は相手が交代(C)ならこちらはエッジ(A)、相手が馬鹿力(C)ならこちらはインファイト(B)をするのが結果的には正解となりますが、それは蓋を開けてみないとそれは分かりません。

  C D
A 正解 不正解
B 不正解 正解

皆さんが多く用いられてる価値判断基準は「相手はどちらの行動をする確率が高いか」でしょう。
「C,Dのうちでそれぞれを選択する確率を予想し、二者を比較する。DよりCの方が選択される確率が高いだろうと予想し、こちらはAを選択する」というやり方を実行している方もいらっしゃるでしょう。
実際のところ、オフでは分かりませんが少なくともレートでは馬鹿力(D)より交代(C)の方が多く選択されるであろうと思います。
仮定として、相手が交代(C)を選択する確率が7割くらいだとしましょう。
なのでストーンエッジを打つことが最善……?

ただ、ここで考えなくてはならないのがそれぞれの結果、試合の勝敗がどうなるかです。読んだ結果のその行動が試合に及ぼす影響、その中身について触れなければ意味がありません。

A(エッジ)-C(交代) 後続のクレセに4割のダメージ
A(エッジ)-D(馬鹿力) バンギラスに5割ほどのダメージを与えテラキオンが退場
B(インファイト)-C(交代) 後続のクレセに2割のダメージ
B(インファイト)-D(馬鹿力) バンギラスが退場

以上のようになります。この後の展開での勝率を予想するとA-Cは6割、A-Dは3割、A-Cは5割、A-Dは8割くらいでしょうか。
※もちろんあくまで例です

勝率(割) C(7割) D(3割)
A 6 3
B 5 8

表を見れば分かるように、Aを選択するとA-Dのときにかなり不利になってしまいます(もちろん確率は低いです)。Bを選択すれば極端に不利になることはなさそうです。

長期的に運要素を考えるときは期待値で計算するのが良いです。

Aの勝率期待値 = 7割×6割 + 3割×3割 = 0.51
Bの勝率期待値 = 7割×5割 + 3割×8割 = 0.59

相手の行動が未確定のとき、Aの選択をすれば勝率51%、Bの選択をすれば勝率59%になるということです。Bの選択の方が勝率期待値が大きく出ています。その要因としてはA-Dがリスキーすぎたことと、相手が交代(C)を選択したときにこちらがA,Bのどちらを選択しても勝率が大して変わらないことが挙げられるでしょう。
つまり、この例では相手が交代(C)をする確率が高いにも関わらず、交代(c)への正解であるエッジ(A)を選択することは最善ではない。読みが外れる確率が高くてもインファイト(B)をする方が勝率が高いことになります。
※公平のために、勝率等の数値はこの計算に都合が良くないようにしたつもりです。
※さらに言えばバンギラスの持ち物が襷やスカーフの可能性、相手がクレセリアを実は控えていなかった可能性を考慮すればこの期待値はもっとB選択が有利に傾くと思います。
※そして念のため何度も言いますがあくまで例です。場面が変わればテラキオンがエッジを打った方が良いケースは沢山あります。

この例では二択で紹介しましたが、三択やそれ以上にも応用出来るでしょう。

結論として。別に常に安定行動しなさいと言いたいわけではありません。読みをするときには、どっちの確率が高いかだけではなく、その結果どうなるかまで考えなさい、ということです。

これからはこういう理論系の話をもっと書くようにします。