最善手 1

ところどころ面倒なところ(※部分)は飛ばして読んでも大丈夫です。

最善手とは、その試合においての勝率が最も高くなるような選択のこと、としておきます。今回は最善手の解説をしたいと思います。

簡単な例を示します。
[1]自明な判断の上での最善手
両者ラス一、自分ガブリアス5割、相手スイクン4割とします。ガブリアスは逆鱗(威力120)、地震(威力100)の技を持っていて、スイクンガブリアスの逆鱗では落ち、地震では落ちないとします(それを自分側が分かっている)。
この状況で逆鱗を撃てば勝率は100%、地震を撃てば勝率は0%となるので、勝率が高い逆鱗を撃つのが最善手、となるわけです。
※急所とかダメージ分布とか考えると面倒なので非考慮

上の例は理解できると思います。当たり前すぎて、「最善手を選択した」という意識は持たないと思います。おそらく、「最善手を選択した」という意識を持てるのは以下からだと思います。

[2]計算の上での最善手
両者ラス一、こちらのガブリアスが満タンで、相手のスイクンも満タンとします。ガブリアスの型は@竜ジュエル 逆鱗/地震/剣の舞/大文字 です。
ガブリアスは持ち物非考慮の逆鱗でスイクンのHPを4割以上削れるとします。なのでジュエル逆鱗ならば6割以上削れるので、二発目と合わせれば確実に落とすことができます。
さて、前提を置く作業が長くなりましたが、問題です。ガブリアス側は
「一」 剣舞→逆鱗
「二」 逆鱗→逆鱗
のどちらが最善手となるでしょうか。どっちでも同じ?違います。

※細かい仮定もしておくと、急所と、冷凍ビームでの凍りも考慮します。相手のスイクンの型は@ラム 波乗り/冷凍ビーム/絶対零度/めざ炎 で、こちら側に型バレしているとします(ちょっと型から地雷臭が漂っていますが、説明のためですので我慢して下さい)。相手は必ず冷凍ビームをしてきて、一発は確実に耐えますが、二発目は耐えませんし、急所に当たった場合一発で死にます。


答えは「ニ」の逆鱗→逆鱗です。これはそれぞれの勝率を計算すれば分かります。
「一」の勝率 86.7%
「ニ」の勝率 87.5%

※一応計算式を載せると
「一」:(冷凍ビームが急所に当たらない確率)×{(冷凍ビームで凍る確率)×(氷が溶ける確率)+(冷凍ビームで凍らない確率)}
= (15/16){(1/10)×(1/4)+(9/10)} ≒ 0.867
「ニ」:(一発目の逆鱗が急所に当たる確率)+(一発目の逆鱗が急所に当たらない確率)×(冷凍ビームが急所に当たらない確率)×{(冷凍ビームで凍る確率)×(氷が溶ける確率)+(冷凍ビームで凍らない確率)}
= (1/16)+(15/16)×(15/16){(1/10)×(1/4)+(9/10)} ≒ 0.875

[1]の例では最善手の判断は簡単にできますが、[2]のような例は計算しなければ分からないので、中には、初めて知ったという人もいると思います。
勝率がそこまで大きく変化するわけではないので、初めのうちはそこまで気にしなくていいと思います。

長くなったので分けます。次はもっと実際的なところに触れるつもり。計算が間違ってるとかあったら教えて下さい。
あ、あとあけましておめでとうございます。